結納の基本的な知識、押さえるべきポイント

結納とは?

簡単に言えば、結納とは正式に婚約したことを広く世間に公表するための儀式ということになります。結納=婚約といえるかもしれません。

結納は「ゆいのもの」といって、両家が婚約をお祝いする席を結ぶ飲食の時の酒や魚を意味し、歴史を紐解けば仁徳天皇の時代に始まったとされており、その後室町時代に小笠原家によって今の結納の基礎が作られたと言われています。

婚約をお祝いする席に必要な酒や魚、その他男性側の誠意を示す品々・・昔は結納品は、すべて現物でお贈りしていました。今でもするめ・こんぶが結納品の中にあるのはその名残だと思われます。

皇族の方のご結納(納采の儀)の際には、鯛や清酒、さらに六反程の白生地をを添えて・・まさしく結納の原型がそこにはあります。白生地=小袖とも言い、結納金の金のことを関西などでは小袖料と呼びますが、こしらえて頂く着物の分が今では現金となったということ。

昔は結納といえば男性側が女性側のお宅に出向き、古式ゆかしい形で行うのが一般的でしたが、最近のは略式で結納金だけ、結納金はなく記念品だけの交換、自宅には伺わず、レストランや料亭などの場所借りて行う・・など結納の形は様々多様化しております。

結納は相手があることなので、どちらか一方の押し付けではいけません。相手のことを尊重した形で進めれると良いですね。しかし両方がどうしよう・・どうしよう・・では話は進みません。ある程度は男性側が(※婿養子様の場合は逆)リードしていく形で進めていきましょう。どんな形がベストなのかは両家できちんと打ち合わせをして進めましょう。

結納の日取りの決め方

結納の時期は以前は、秋に結納なら翌年の春、春に結納なら秋に結婚式といった具合に結婚式の半年前というのが定番でした。

また母の古い結婚式の写真などを見ると、自宅で結婚式を行っていた時代もあり、やはり暑い時期や寒い時期を避け気候の良いときにというのもあったのかもしれませんね。

今は昔より若干早めに3ケ月程前というのが多いように思います。ただ女性側の立場で考えるといくら婚約をしたとはいえ、世間に公表する前は、例えが適切ではないかもしれませんが就職活動に例えるならば、いわば内定状態、世間に公表をした時点で正式採用で堂々と結婚の準備に移れる・・といった感じなのではないでしょうか。

生まれてからこれまで過ごした環境から一変して、新しい世界に飛び込むこととなります。結婚の準備となるといくら簡単とはいえそれなりの準備期間が必要。まち特に女性側のお父さんにしてみると気持ちの整理の整理がつかない・・父親にとって娘というのは特別な存在ですからね。私も娘を持つ父親としてそう思います。

男のやさしさとして彼女のお父さんに気持ちの区切りを付ける期間を設けてあげても良いのではないでしょうか。そう考えるとやはり結婚式の3ヶ月前~6ヶ月前がベストだと思います。

日柄にこだわる必要は?

暦の中で六曜の中で大安・友引・先勝といった日の午前中に執り行い、先負・赤口・仏滅といった日にはあまりしないものとされていますが、お仕事柄や両家の都合で、どうしても仏滅にというケースもあります。その辺りは両家皆様の同意が得られていることであれば自由だとは思います。六曜と十二直を表にしてみましたので参考にしてください。

大安・仏滅・先勝・先負・友引・赤口という、一般的によく使われるお日柄のことを言います。平安時代の運命学の創始者である、かの有名な安倍晴明が、中国から持ち帰ったものを広めたとされています。

【六 曜】

良い日柄 悪い日柄
大安(たいあん)

一日中吉とされる日で結婚式や結納には最も適した日。

仏滅(ぶつめつ)

最大の凶日で、何事も謹むべき日と考えられている

友引(ともびき)

婚礼などには良いとされていて、大安の次に良い日との位置付けです。仏事は避けるのが常識。

赤口(しゃっこう)

慶事全般(婚礼も含む)や新しく何かを始めることは避けるべき日。ただし正午前後は吉とされている。

先勝(さきがち)

慶事全般において午前中が吉。願い事・交渉事にも良い日。

先負(さきまけ)

先勝の逆。婚礼事は午後からが吉。午後からの結納式ならOK

詳しい暦などを見ると六曜の下の中段と呼ばれる部分にもお日柄の良しあしが書いてあります。六曜と以下の十二直の組み合わせで見ると、六曜では大安でも、十二直が破・危の場合や逆に六曜が仏滅でも、十二直が満・平といった場合もあります。


たつ

万物を建て生ずる日とされ、すべてにおいて最吉日
やぶる
破るの意。祝い事はすべて凶

のぞく
百凶を除く日ですが婚礼・旅行には凶
あやぶ
何事も控えめにして慎む日新しく始める事は凶

みつ
すべて満たされる日。婚礼はもちろん大吉
なる
物事の成功成就の意。婚礼はもちろん吉

たいら
平安・平等の意。婚礼はもちろん大吉
おさん
納めるのに良い日だが、結婚やお見合いは凶

さだん
物事の基礎を定める日。婚礼は全般に吉
ひらく
運が開ける日。婚礼・新築・開店なども吉

とる
執り行うの意。婚礼やその他祝い事も全般に吉
とず
金銭の収納には吉だが結婚には凶とされている

一般に言われている六曜とこの十二直まで深く見てしまうと、正直なところ皆の都合の合う日がなくなってくるかも・・・。

仲人を立てるか立てないか

本来は仲人を立てて結納を行うものとされていましたが、最近では90%以上の方が仲人を立てないようです。但し相手様がやはり仲人を立ててほしいというご要望があった場合には、仲人を立てるようにしましょう。

結納金の相場、決め方

結納金の相場は、100万が全体の48%と最も多い。次いで70万、50万という順番。100万以下の場合70万、50万といった割り切れない数字奇数が好まれるようです。関東などでは半返しの分を差し引いて50万包むという事も多いため、意外と50万の比率がが多くなっています。

200万.300万という方もありますが非常に少数で、実に90%以上の方が100万以下となっています。

婚約指輪は給料の三か月分という宝石業界さんのCMがよほど印象が強いのか、結納金もそうお考えの方もあるようですが、本人の経済力と家からの援助分算定の基本ベースとなるようですので給料の三か月分という基準は余り気にしなくてもよいと思います。

家と家の結びつきの始まりと考える傾向のある関西などでは家からの援助分がプラスされることも多いようです。

また2015年4月に「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」が始まり、子や孫への結婚式などの資金を最高1000万円まとめて贈与できる制度が始まったこともあって、家からの援助分のプラスが増えているようです。こちらのページでもう少し詳しく説明しています。結納金の相場と平均金額は?

酒肴料とは?

これは結納の後の食事を女性側でごちそうになる際に、女性側のご負担にならないようにと、男性側からお包みするお金のこと。正式には結納金とは別に10%を酒肴料として包むとされていましたが、最近の傾向として3%~5%という考えの場合も多いようです。いずれにしても結納金とは別に酒肴料も必要なケースがあることを覚えておきましょう。

食事代を折半にした場合や、男性側が食事代を支払いをされた場合は必要ありません。

結納の場所の決め方

結納の日はわざわざ結納品を持参頂いた男性を 女性側がもてなす、というのが基本的なスタンスなため、結納会場を決めるのは女性側というのが一般的。ただ同時交換の場合などは、男性側・女性側が同じ条件のため折半というのが一般的。後はそれぞれの家や個人の考え方もありますので、可能ならば両家で打ち合わせをしていただくと良いでしょう。

従来は結納と言えば「自宅」で行うのがごく一般的でしたが、結納を行う場所については最初でも少し触れていますが、自宅以外の場所で行うというのが最近の傾向です。

(1)自宅で

女性側にとって慣れ親しんだ環境で行えるため安心という点が一番のメリット。また移動したりする手間も省ける点もメリット。一方結納式後の会食も自宅でとなると、料理の配膳、飲み物を出したり下げたり・・すべて女性側で賄わないといけないのが大変だという意見が多い。

こういった点を考慮すると、「結納は自宅で、その後の会食は外へ」というのがベストかもしれません。実際もこのパターンが非常に多いようです。

和室があれば床の間の前に結納飾りをセッテイングし畳の上で結納式を行います。和室がない場合は洋室でテーブルの上でもOKです。

(1)外の会場

外の会場でされるパターンが最近非常に多くなっているようです。レストラン、料亭、ホテル、結婚式場など・・・、特に場所の決まりはありませんが個室でゆっくりお話ができる会場が良いでしょう。さらに以下の二つのパターンがあります。

結納から会食まですべて、外で行う。

会食の準備から配膳、給仕に至るまですべて会場のスタッフにお手伝い頂けるという点がメリット

気を付けたいポイントとしては「結納品がお飾りできるスペースがあるかどうか」これは事前に会場への確認が必要です。デメリットとしては、お飾りをした結納飾りは片付けて持ち帰らないといけない点。

結納は自宅で済ませ、会食のみ外で。

すべて会場のスタッフにお手伝い頂ける点は上のパターン同様ですが、結納飾りを持ち込んだり、持ち帰ったりといった煩雑なことがないのもメリット。正直なところれが一番楽なパターンかもしれません。

※お互いが遠方同士の場合 中間地点の会場ででというケースもあります。この場合どちらが費用をお支払いされるかは事前に打ち合わせしておかれるのが良いかとは思いますが、ケースバイケースでです。

※結婚式を挙げる予定の式場などでも結納の席を用意してくれるところもあるのでこちらもチェックしてみてはいかがでしょうか。結婚式場会場の下見を兼ねてされても良いと思います。

結納全般についてご質問がございましたら何なりとお尋ねください。
結納のプロとして最適なアドバイスを差し上げたいと思っています。

9:00~18:00(木曜除く)
<電話料 無料>0120-22-7637

この記事を監修してくれた人

小林 憲司
小林 憲司結納ドットコム
結納ドットコム、ウェブマスター
1996年のホームページ開設以来20年間で年間平均1200件のべ2万件を超える結納品の通販実績を誇る。

時代のニーズに合ったスマートな結納の企画・製造・販売を手がける傍ら、冠婚葬祭に関するアドバイザーもつとめる。冠婚葬祭で悩める人々の救世主となることが第一の目標。

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