結納返しは現金それとも品物?する時期や金額相場は?

ところで、あなたは“結納返し”という言葉を知っていますか?

「なんかの雑誌か本で見たことがある」「友達が言っていたのを聞いたことがある」と、約8割の方が“結納返し”という言葉は聞いたこと位はあるようです。

でも「結納返しってどうやってするの?」と聞かれると、「はて?」(笑)

その意味やする時期など、具体的な内容について明確に答えることができる人は、その内の1割にも満たないそうです。

結納返しとはいったい何なのか、またどのようにすれば恥をかかずにできるのかについて、お話をしたいと思います。

結納返しとは?

ずばり簡単にまとめてしまうと、「頂いた結納に対する感謝の気持ちを形に表したもの」と言えると思います。

なんか、わかったようなわからないような・・

そもそも

結納返しをしなければいけないの?

しなければいけないと言う決まりはありませんし、色々な事情があったり考え方があったりで、実際にしない方、しなかった方もあると思います。

ところで”返し”と付く言葉にはどんなものがあるでしょうか。例えば「お祝い返し」「香典返し」また「恩返し」なんてのもありますよね。

実はこれらはすべて頂いたことに対する感謝の気持ちを形に表したもののことを言います。「倍返し」だ!というのもありましたがこれはちょっと違う・・

だとすると

どこまで正式にするかは別にして、頂いた結納に対して何らかのお返しするのは一般的な常識からすれば礼儀なのかもしれません。最終的にするしないを決めるのは女性側になりますが、頂きっぱなしは失礼と受け取られてしまうことも場合によってはあるので、するかしないかは、よく考えたいところです。

まずは結納返しをするという前提での話をしていきます。

結納返しをする時期

結納返しをいつするのか、については、皆さん思案している点の1つ。大きく分けて以下の2つになります。

  1. 結納の日に
  2. 後日、日をあらためて

1.結納の日

これは「同時交換」といって、結納と結納返しをその日に済ませてしまう方法です。もともとお互いが遠方同士の場合、行ったり来たりが大変なため、一日で済ませてしまおうというところから始まった方法ですが、めんどくさいことは一日で済ませてしまいたいという事もあって近く同士の場合でも、この方法でされる方が、最近非常に多いです。

この方法のメリット

  • 結納も結納返しも一度で済んでしまう。

2.後日、日をあらためて

以前はこの方法しかありませんでした。お嫁入り道具を運ぶ日に、結納返しも一緒にしていた時代もありましたが最近では”お嫁入り道具入れ”という特別な日を設けないことも多くなっています。

もし後日結納返しをという場合、日をあらためて男性側へお伺いすることとなります。女性側にとって、新郎の育った環境やお家の様子などは正直知りたいもの。ただ、何もないのにいきなり伺うのは取って付けたようでわざとらしい。この後日伺う方法だと、お伺いする口実ができるという、大きな声では言えない内緒のメリットがあります。(^^♪

しかし自宅ではなく結納と同様どこか外の会場でするケースもありますので、これについては結納返しを受ける男性側が決めることとなります。

うーーんまずい、これだと男性側へ伺う口実がなくなる・・

そんな場合もあるかも・・仕方がないです。臨機応変に行きましょう。

後日、日をあらためてではありますが、具体的な時期としては様々。結納後しばらくしてという場合もあれば、結婚式の少し前という場合もあります。

女性側で日にちを決め、男性側の都合の良い日とすり合わせます。男性側から「結納返しはいつですか?」とは聞けないので日は女性側がまず決めましょう。男性側から聞いてしまうと何だか結納返しを請求しているみたいですものね。

この方法のメリット

  • 男性側のお宅の様子を拝見する口実に。(ケースバイケース)
  • 日にちはまず女性側が決める事

結納返しの金額相場

いくらお返しするのかといった金額の相場や平均額は、やはり女性側にとって最も気になる点のようです。以下の3つのケースに分けて考えます。

1、結納金を頂いている場合

頂いた結納金に対して何割かを「御袴料」(おんはかまりょう)という名称で包みます。一般には現金で包みます。

関東では半返し、関西などその他の地域では1割

と言われています。例えば結納金が100万だった場合、関東では50万、関西などその他地域では10万が相場となります。

但し関東であっても半額ではなく1割という場合もあれば、その逆という場合もあります。地方による違いももちろんですが、それぞれの家の考え方によるところも大きいかもしれません。

結納の時にお返しの分を差し引いて包む方法もある

関東などで以前から比較的よくある方法ですが、男性側は結納返しを頂かないという前提で、例えば結納金100万ならば、半返し分の50万を差し引いて50万を結納金として包むという方法です。

但し、半返し分を差し引いて包むという事を、事前にきちんと話をしておきましょう。そうしないと、せっかく結納返しを心配しなくても良い様にと、女性側を気遣ったつもりが「あれ?なんか結納金がちょっと少ないかな・・」などと思われてしまっては悲しいものがあります。

ま、これは男性側からの話になりますので、若干話がそれてしまいましたね・・

2、結納金はなく、指輪だけを頂いている場合

結納金がなく記念品だけ頂いた。という場合でもお返しは必要?と、ご質問頂く場合がありますが、結納金はないので、当然ながら袴料でのお返しはないですが、やはりほとんどの方が何らかの記念品は男性にお返しをされているようです。

みんなどんな記念品をお返ししているか

また頂いた指輪のお返しをしたいけれど、記念品が決まらないと言った場合、記念品の分を「記念品料」「背広料」などとして現金で包む方法があります。この場合の現金は記念品の代わりという事になります。書き方などはこちらのページも参考に。

結納金の袋 封筒 金封 熨斗(のし)の表書きの名称や書き方、中袋 中包みへの金額の書き方についても詳しく解説
3、結納金と指輪の両方を頂いた場合

簡単ながら略式の結納もあり、結納金と指輪の両方頂く場合もあるかと思います。この場合3通りあると思います。

  1. 結納金のお返しと記念品のお返し両方
  2. お金だけでお返し
  3. 記念品だけでお返し

袴料として10万、記念品に10万程度の予算のお返しが1番目の方法。袴料だけ20万を包むのが2番目の方法。記念品の予算を20万にするのが3番目の方法。という事になるでしょうか。

ただしあくまでもこれは数字のつじつま合わせ的な部分もありますので、ご予算とかに合わせたりして、よく考えて女性側が決めましょう。

あと注意する点としては「どうしましょう?」と答えようがない質問を男性側にすることだけは無意味なことと思います。

記念品が当日に間に合わないという場合

結納返しの金額の相場とは若干話がそれますが、記念品が当日に間に合わないという場合、「目録」にしてそこに記念品を書き記しお渡しするという方法もあります。また記念品として購入したスーツや時計をもうすでに渡してしまったため、目録に書き記して結納返しの席で渡すといったケースや、記念品が大きすぎて持ち運びできないという場合にもこの目録の方法はおすすめです。目録といういわば明細のような形にしておくことで、後々まで何を差し上げたかが書面に残ります。

結納目録の書き方(関西式)についてわかりやすく詳しく解説。自分で書かれる方にも非常に参考になります。ご不明な点はフリーダイヤル0120-22-7637で質問が可能。

まとめ

  • 関東では半返し
  • 関西では1割返し
  • お返しの分を差し引いて結納金を包む方法もある
  • 記念品のお返しもお金でするケースもある

結納返しの品物

一般には頂いた指輪などに対して、同じように品物でお返ししますが、一般にどんな品物をお返しされているのでしょうか。割合をグラフにしてみました。

お返しするものの金額は頂いた指輪などに対して何割という基準は特にないですが、選ばれる品物によって随分と変わってくるかもしれません。

1.「時計」

全体の45%と圧倒的に多いのは「時計」。指輪という消耗品という種類のものではない、一生の記念品とでも呼べるようなものに対して時計も同じように一生もの。また指輪と時計の記念品の交換などもとても絵になりますし。結納返しの品物としては最適だと思います。

選ばれるブランドなどによって金額にかなり幅がありますが、ある程度予算を提示して、一般には10万前後位の予算を基準に無理のない範囲内で選んでもらいましょう。

時間はスマホで確認するから・・という彼には向いていない記念品ですが・・

2.「スーツ・礼服」

こちらも定番中の定番です。仕事で普段スーツを着られる方でしたら、一番良い記念品だと思います。パターンとしては「スーツ1着でもできるだけ良質のものを」か「仕事で毎日着ていて数がほしいのでスーツ2着」か「スーツ1着とシャツ・ネクタイなどの小物一式も揃えて」など。

普段スーツは着ないのでという場合、礼服を差し上げるのもありかもしれません。冠婚葬祭に必要なものです。一つ持ってるから2着もいらないという場合、例えば、ダブルを持っているならシングルのタイプを差し上げるのもひとつ。また夏物の礼服を持っていないならそれを差し上げても喜ばれます(ただし冬には売っていませんが)礼服の場合は、シャツ・ネクタイなどの小物も含めて一式で差し上げることも多いようです。

スーツや礼服ならば10万程度までの予算で買いそろえることが多いようです。

3.バッグ・靴

バッグや靴といったスーツなどの付属とでもいえるようなものを差し上げる方も比較的あります。バッグや靴は消耗品と言えなくもないですが、普段中々買えないような良いバッグや靴はある意味一生モノ。

4.タイピン

以前は定番の記念品でしたが、最近タイピンをお返しの記念品にされる方は、やや少ないかもしれません。

でも例えばパールのタイピンなどでしたら冠婚葬祭に使えて一つあっても良いアイテム。カフスとセットになったものもありますが、カフスまではあまり使わないという事でしたらセットでなくても良いと思います。

タイタックと呼ばれる針で止めるタイプもすっきりとおしゃれです。ダイヤの入ったタイタックなどは冠婚葬祭というよりはビジネスシーンでちょっと差が付くアイテムかもしれません。

5.その他

  • 一眼レフカメラ
  • ビデオカメラ
  • 万年筆
  • 印鑑
  • パソコン
  • ゴルフバッグ
  • 自転車(ロードバイク)・・など

単に趣味の物という感のあるものもありますが、せっかく差し上げても使ってもらえないよりは、ご希望されるものを差し上げたほうが喜ばれます。

結納返しのお金を入れる金封

一般的に写真のような青・緑系統のものを使用します。伝統的な色合いのものや若干パステル系のタイプなどもありますので好みに応じて選びましょう。

結納金袋の購入

ちなみに袋のタイプは100万位までを入れるのに最適。大き目の袋で200万~300万入る袋もないことはないですがかなり限定されてきます。その場合は下のような箱のタイプに入れましょう。

またこの青白のタイプは結納返しだけではなく婿養子様の結納用としても使います。婿養子様などで比較的結納金の金額が多い場合、袋のタイプでは入りきらない場合があります。

ちなみにこちらは300万まで入る桐箱。500万まで入るものや200万位を入れるのにぴったりな箱などもありますので、金額が多い場合金額に応じて適正な大きさのものに入れましょう。

最近は関東でも青白の袋が主流に

関西では男性へ向けて差し上げるものは結納返しに限らず、例えば結婚祝いの袋でも青白を使いますが、実は関東などでは結納・結納返しの区別なく紅白を使うとされてきました。しかし最近では関東でも結納返しは青白のものを使うことも多くなっています。男の人に向けては逞しさや力強さを表現した青・緑系統の色のものが確かに自然な感じがします。

結納品のお返しをする場合

お金だけをお返しする際の袋は青白とご紹介しましたが、結納品を頂いた場合も同じく緑や青系統の色の結納飾りを使います。

結納返し用の結納飾りもご用意するやり方は、今の時代からすると正式なやり方ということになるのかもしれません。それでは正式な結納返しの方法とはどんなものでしょうか?

結納には3品・5品・7品といった品数があります。これは結納返しでも同様です。一般に結納返しの飾りは、頂いた結納と同格もしくは少し控えめにというのが基本。

例えば7品頂いた場合、同格にならば7品を、少し控えめになら5品でお返しするという事になります。品数を一つ下げることで控えめにという考え方ですが

ところが必ずしもそうとは言えないケースががあります。

同じ品数でも同じボリュームとは限らない

特に男性が関東、女性が関西の場合です。関東では品数が多くても非常にコンパクトな結納飾りを使いますし、逆に関西では立体的な結納飾りを使います。

例として関東式5品と関西式5品を比べてみました。

どうでしょうか?

これ両方とも5品で同じ品数なんです・・

これちょっと気を付けないとヤバイかも・・。

違いの比較のために関西式5品は少し大きめの物を例にしていて、若干極端かもしれませんが、それにしても同じ品数でもここまで女性側のほうの結納飾りが大きくなってしまうと、男性側に恥をかかせてしまうことになります。同じ品数でもボリュームの大きい小さいがあることを覚えておいて下さい。

さて、ではどうするのが一番良いのでしょうか。

同じ飾りの色違いで揃えてしまう

こんな感じ。品数も同じボリュームも全く同じ、違いは色合いだけ。これが一番間違いがないかもしれません。

どうしても見た目での判断が優先されます。逆に品数は少なくても男性側の結納飾りが大きい場合はまだ問題がありません。

今は昔に比べれば随分簡略になったとはいえ、地域性の違いはやはり今でもあります。自分の常識が相手の常識と同じだと思い込んでしまいがちなのが人間、相手のことを精一杯理解することを忘れないように心がけて頂くのが重要かも。

この点に注目

  • まずは相手様の結納飾りが何品か
  • そのボリュームはどの程度か
  • 同じ飾りの色違いで揃えるのも良い

男性側のご用意された結納飾りを、できれば彼にスマホなどで写真を撮ってきてもらい見せてもらうのも良いかもしれませんね。それを見て決して相手様よりも品数が多くならないように、またボリュームも抑えるようにして結納返しの飾りを選びましょう。

よくわからない場合、例えば結納ドットコムなど経験豊富なスタッフのいるサイトで写真を見てもらい相談すれば、適切なアドバイスが頂けるかもしれません。

結納返しをしなかった理由

結納返しは、できればした方が失礼に当たらないという前提で話を進めてきましたが、結納返しはしなかったというケース。どんな理由が多いのでしょうか。主に2つの理由です。

1.半返し分差し引いていただいた。

本来結納返しとしてお返しする半返し分を最初から差し引いて結納金を頂いた場合は、当然ながらお金としてのお返しはないので、そのまま結納返しもなしに、というケース。但し両家での事前の打ち合わせが必要です。

2.二人の結婚資金のためにあてた

また結納金の使い道が「二人の結婚資金のため」と明確になっている場合、こちらも結納金のお返しはなしという事が多いようです。もちろんこれも男性側・女性側双方の親の意向の確認が必要です。

まとめ

さて結納返しについて書いてみましたが、いかがでしたでしょうか?

結納返しをしなかった理由については様々ですが、事前に両家の話し合いまたは意思疎通が図れていないとトラブルの原因にもなりますのでご注意ください。

また結納返しや結納は、やはり相手のあること、するということになったら相手の地域や相手の考えをきちんと聞いたうえで進めることが肝心。決して二人の考えだけで強引に進めてしまうことだけは避けてくださいね。せっかくのお喜び事が些細なことで揉め事になるなんてつまらないですものね。

この記事を監修してくれた人

小林 憲司
小林 憲司結納ドットコム
結納ドットコム、ウェブマスター
1996年のホームページ開設以来20年間で年間平均1200件のべ2万件を超える結納品の通販実績を誇る。

時代のニーズに合ったスマートな結納の企画・製造・販売を手がける傍ら、冠婚葬祭に関するアドバイザーもつとめる。冠婚葬祭で悩める人々の救世主となることが第一の目標。

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